現在、世界中で戦場におけるロボット使用が加速している。
イラクでは、アメリカの無人戦闘機による民間人の命を奪う事故も数多く報告されている。
かつて人々の夢であったロボットの技術は、今、命を狙う殺戮兵器に姿を変えて戦場に浸透しつつある。
これは日々一刻と拡大しつつある揺るぎのない事実であり、もはや他人事ではなくなってきている。
今こそ一度立ち止まり、この問題について再度検証する必要があるのではないだろうか。
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第一回では、倫理的問題点に焦点を当て、あたらな倫理ガイドラインの制定の必要性を提案した。
今回はそれは国際的な視野に広げて議論したいと思う。
戦場におけるロボット技術を制限する国際的な取り決めをすることが、また別の大きな鍵になり得ると考える。
Singerはこれらのロボットの戦場への進出を「ロボティックス革命」と表現し、この革命は戦争の根底を覆し得るものだという。そして彼は、この問題を解決するために国際的な協定の必要性を訴える。
Singerは戦場から数千マイルも彼方から操縦される無人戦闘機を例に挙げ、この距離感が、戦争の非現実性の妄想を招くと危惧する。
昼間は個室で戦闘機を操縦し敵の兵士を攻撃していたパイロットが、定時をすぎるとその部屋を去り、晩には家族と笑顔で食卓を囲む。
かつて戦争における兵士は常に死と背中合わせであった。
敵と戦いながらも、逃げ場のない恐怖とも戦った。
祖国に残した家族を思いながらも、必死に目の前の悲惨な現実と戦った。
それがゆえに引退後、平和活動にいそしむ人も少なくないという。
しかし、部屋を出さえすれば、全てから開放されてしまうこの現状において、
戦争というもののあり方は確実に変化しつつある。
Singerはさらに、高校を中退した18歳の少年を例に挙げる。
この少年は、テレビゲームを得意とし、それが故に無人戦闘機のパイロットに抜擢された。
そして、そんな彼が今、戦争のために多くの国のお金をかけて教育されたエリートパイロットよりもはるかに優れた技術をもつという。
自分自身には何一つ害はなく、スクリーンの先でターゲットとなった敵を黙々と倒していく。
Singerはこれら、戦争がまるでゲームかのごとく扱われかねないこの現状を強く非難する。
戦場に数多く投入された多くの無人ロボットによって、戦争というものの恐怖を人々は忘れつつある。
しかし、Singerは、ひとつの希望を見出す。
彼は、これらのロボット技術の乱用と、国際的な使用に関する協定の欠如が故引き起こされた原子爆弾投下との共通性を指摘する一方で、
ロボット技術は原子爆弾の時とは違い、極秘で開発されているわけではない点を指摘する。
それ故、多くの人々がこの危険性に気づきさえすれば、この問題は解決の方向に進むのではないかと考える。
彼は、戦争の意味が変えられつつある今、ロボット技術の戦場での制限ラインを厳密に取り決める国際的な協定の設置が早急に行われることを願う。
また一方で、それらの技術の及ぼし得る最悪の事態をしっかりと把握し、一部制限とはいわず、全面的な戦闘ロボットの開発の禁止を訴える人々もいる。
その一人であるSharkeyは、これら技術に関して、我々人間がどこまでしていいのかというはっきりとした線引きが必要であり、そのためにもSinger同様、国際的な協定が必要になると主張する。
Sharkeyは、今の時点では、攻撃の最終決断は人間に託されるが、それらのロボットが暴走しそれらの強力な武器で人間に危害を加える危険性を否定できないという。
そして、それをまさになぞるかのように、2009年、米軍の遠隔操作ロボットSWORDSが戦場でエラーを起こし、味方の兵士にマシンガンの照準を合わせて発砲しようとし撤退させられた。
この事件は、人間の予測不可能な範疇で、機械が脅威に変わる可能性を現実的にした。
加えてSharkeyは、技術流出によるテロリズムの危険性も強調する。
彼は、いったんそれらの戦闘ロボットがテロリストの手に渡れば、それはプログラムを改ざんされ自動殺人マシーンになり得るだろうと語る。
それ故彼は、この問題の解決策は唯一、無人ロボットの全廃にしかないのかもしれないと結論付ける。
これらの問題は戦争という性質が故、なかなか国際協議が難しい議題でもある。
しかし、一国がその国のリスクを減らすために開発する戦闘マシーンが、いずれ相手の手にも渡ったとき、結局自分自身の首を絞めることになることは容易に想像がつく。
戦争の非現実化が進む今、改めて国際的な協議が必要とされている。
(記事の実配信日時: 2009-08-01 04:42:24)

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